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ミラコエの立ち上げ物語:若者の政治離れを解決するために

学生団体設立の経緯と成長過程。4人で始めたミラコエが40人の組織に育つまで。

僕が声を上げることを決めた理由

読者の中に、こんな風に思ったことある人はいるだろう。 「この社会は何か間違ってる」「もっとこうあるべきじゃないか」 だけど同時に、「俺みたいな一個人が何を言っても変わらない」って、諦めの気持ちも湧いてくる。

僕の母親は、2015年に選択的夫婦別姓訴訟の原告だった。ダイニングテーブルで熱く語る母の姿を、幼い頃から見てきた。その姿勢が、僕の中に「声を上げることの大切さ」を刻み込んでいったんだと思う。

でも、18歳になったその年の夏、僕は自分が何もわかってないことを痛感する。投票権をようやく手にしたのに、どの候補者や政党に投票すればいいかまっったく分からない。

その時気づいたんだ。若者の投票率が36.5%って、きっと僕みたいな人間がめちゃくちゃいるってことだって。問題は教育にある。学校は政治制度は教えてくれるけど、生きた政治については触れようとしない。

「俺が変えなきゃ、誰も変えてくれない」

そう思った瞬間、心臓の鼓動が早くなるのを感じた。同時に、「高校生の俺に何ができるんだ」っていう不安もあった。

でも、母の背中が僕を後押ししてくれた。一人の声が、社会を動かすことだってある。それを、僕は知ってた。

最初の一歩として踏み出したプロジェクト

高校3年の政治・経済の授業で、先生が「SDGsの達成に貢献する社会的活動を企画してください」という課題を出した。

他のクラスメイトは、プラスチック削減とか、地域清掃とか、安全そうなテーマを選んでた。でも僕は、「若者の政治参加を促すために、模擬投票のイベントを開催しよう」って提案した。

担当の井出先生は、驚いた顔をしながらも、「面白いわね。どうやるの?」って聞いてくれた。

僕は、5つの国政政党から現職の国会議員を招いて、「もし国家予算が10兆円増えたら何に使うか」ってテーマで議論してもらう案を説明した。

最初に俺が声をかけたメンバーからは、「マジでこんなイベント、開催できるの?」と心配されてた。 正直、最初はめちゃくちゃ不安だった。

最初の政治家への連絡。めちゃくちゃ緊張した。電話口で「絶対無理って言われて即切りされるだろうな」って心の中で思ってた。

でも、違った。秘書の方は、「面白い企画ですね。先生に相談してみます」って。1つ、また1つと、快諾の返事が来た。

気づいたら、5つの政党から議員が来てくれることになってた。そして当日、200人以上の生徒が参加してくれた。

質疑応答の時間では、手が挙がりまくった。「憲法9条改正についてどう考えていますか?」いつもは授業で寝てるような同級生も、真剣に質問してた。

終了後、ある同級生が言ってくれた。「今まで政治って自分には関係ないと思ってた。でも今日、ちょっと考えが変わった」

その一言が、僕の心を大きく動かした。

ミラコエという名前に込めた想い

模擬投票イベントの成功を受けて、2024年8月、僕は同級生の茂木に相談した。

「NPO法人を立ち上げて、若者の政治離れを本格的に取り組みたい」

茂木は少し考えてから、こう返してきた。「投票率を上げればいいだけで、本当に解決する問題なんだろうか?」

その一言で、僕の思考は止まった。確かに、僕は「若者の投票率を上げる」ことばかり考えてた。でも、投票率が上がったところで、何も知らないまま投票したら、意味あるんだろうか?

その後、僕らは寝る間も惜しんで議論した。電話で夜中まで。

そんな議論の中で、僕らは一つの答えに辿り着いた。

大切なのは、投票率そのものじゃない。政治を「自分ごと」として捉え、自分の頭で考え、議論し、行動する力を持つことだ。

そして、団体名を「ミラコエ」にした。ミライを創るコエ。未来を作るのは、一人ひとりの声。行政の選挙啓発運動じゃ、絶対に変わらない。当事者である若者が、自分たちの声で、自分たちの未来を作っていく。それが僕らの目指す姿だった。

想像以上に高かった壁、それでも諦めきれなかった理由

2024年9月15日、正式にミラコエを結成した。メンバーは4人。目標は明確だった。2月16日に本格的なミライ選挙を開催する。

でも、現実は想像以上に厳しかった。

まず、政治家の確保。同志社高校の看板があった前回とは違い、ただの高校生団体。政党に連絡しても、ほとんどが無視か即断られ。

景品協賛のために100社以上の企業に連絡した。返信が来たのは、たったの1社。

一番キツかったのは、2週間前の時点で参加申し込みが15人しかいなかったこと。「このままじゃ、誰も来ないイベントになる」。不安で、夜も眠れなかった。

マジで諦めようと思った。何回も。

でも、そんな時に励ましてくれたのが、メンバーたちとアドバイザーの方々だった。「うまくいかないのであれば、原因を分析してもっと高校生なりに頑張るといいよ!」

そうだ、まだ諦める時じゃない。

原因を分析した。政治家には、もっと具体的な企画書を作って、熱意を伝えよう。企業には、一社一社足を運んで、直接話をしよう。

そして、奇跡が起こり始めた。政治家の事務所から連絡が来た。「先日のメール、拝見しました。話を聞かせてもらえますか?」。

最終的に、5人の国会議員が集まってくれた。21の企業・団体が協賛してくれた。

イベント当日、300人が集まった。会場は熱気に包まれた。

行政頼りではない、本当の解決を作るために

選挙が近づくと、行政はポスターを貼る。「若者も選挙に行こう」。有名人を起用したCMを流す。一時的には投票率が上がるかもしれない。

でも、それで本当に若者の政治離れは解決するの?

僕が見てきた現実は違う。行政の選挙啓発運動は、表面的なものばかり。「選挙に行け」とは言うけど、「なぜ行くべきか」「どう考えて投票すればいいか」は教えてくれない。

ミラコエが目指したのは、もっと根本的な変化だった。政治を「難しいもの」から「自分ごと」に変える。政治家と直接対話し、疑問をぶつけ、考えを深める場を作る。

匿名質問システムでは、次々と質問が投稿された。「国会議員の給料が高すぎませんか?」「少子化対策、本気で取り組んでますか?」。遠慮なく、本音で議論できる場所。

これが、行政にはできないアプローチだと思う。上から「こうあるべき」と押し付けるんじゃなく、当事者である若者が自ら動き、考え、声を上げる。

それこそが、健全な民主主義の原点じゃないか?

だからこそ、僕らは続ける。行政に頼らず、自分たちの手で、本当の変化を作り出すために。

あなたはこのミライ選挙で何が起こったのか、まだ半分も知らない。組織運営の苦悩、メディア対応の裏側、そして僕らが次に狙っている本当の挑戦。

5人組織から40人のコミュニティに育つまで

結成当初、僕は何もわからなかった。組織運営なんて、経験ゼロ。

15人に増えた時が一番キツかった。全部僕が背負い込んでた。タスク配分ができない。メンバーには学業があるし、テスト期間もある。結局全部自分でやった。

未熟が故のワンオペ状態。寝る時間は3時間とか。常に頭痛がしてた。

「このままじゃダメだ」って気づいた。

そこから、組織を変えた。分野ごとに「局」を作って、それぞれに「大臣」を配置した。マーケティング局、渉外局、企画局、デザイン局...。各局の仕事内容を明文化した。

最初は反発もあった。でも、形式化したことで、かえって自由度が増した。自分の責任範囲が明確だから、その中では裁量を持って動ける。メンバーそれぞれが主体的に動き始めた。

組織が機能し始めた瞬間、鳥肌が立った。

今は40人。「大臣」一人ひとりが誇りを持ってる。

メディアに取り上げられることで見えた、本質と乖離

TBS京都から最初に連絡が来た時、正直舞い上がった。「ミラコエ、有名になる!」って。

でも、取材を重ねるうちに、違和感が出てきた。

記者は言う。「高校生が政治団体を作るって、珍しいですね」。

いや、それじゃない。僕らが本当に伝えたいのは、「高校生だから珍しい」じゃない。「なぜ若者が政治を遠く感じてしまうのか」「教育現場で何が起きているのか」。そういう本質的な問題だ。

メディアは、わかりやすいストーリーを欲しがる。「若きリーダー」「高校生の挑戦」。確かに、それも一面ではある。でも、僕らが追求したいのは、もっと深い社会構造の変革だ。

だからこそ、今は発信の方法を工夫してる。SNSで直接メッセージを伝える。イベントで参加者と対話する。

でも、負けない。僕らの本当のメッセージを、きちんと伝え続ける。

関東・関西の二拠点化という次の挑戦

春、慶應SFCに進学することが決まった。他のメンバーの中にも、東京の大学に行く奴らがいる。

最初は不安しかなかった。「物理的な距離が開いたら、団体は空中分解するんじゃないか」って。

でも、これをチャンスだって捉えることにした。

関東・関西の二拠点化。これは、ミラコエを全国規模にする第一歩だ。東京と京都、それぞれの地域特性を活かした活動ができる。

まだ見ぬ景色を見に行く。それがワクワクして仕方ない。

18歳になって痛感した、教育基本法14条2項の壁

18歳になって、実際に投票に行った。でも、まわりの友達の多くは行かなかった。理由を聞くと、決まって「よくわからないから」って。

ここで初めて、教育基本法第14条第2項の重みを知った。「教育現場における政治的活動に関する制限」。

先生たちは、政治を教えたくても教えられない。もし具体的な政党や政策について語れば、「偏向教育」と言われかねない。だから、最低限の制度の説明で終わってしまう。

実際、出前授業をしに行った公立中学校のときも、授業内容の打ち合わせに苦戦したのを覚えてる。

これは、過度な「政治的中立」だ。政治について議論することそのものを避けてしまっている。

僕らは、この壁に立ち向かっている。学校でできないことを、学外でやる。政治を「タブー」じゃなく、「自分ごと」にする。

まだまだ山積みの課題と、次に狙うもの

正直に言うと、まだまだ力不足を感じることばかりだ。

一番の課題は、政治に無関心な層へのアプローチ。ミライ選挙に参加してくれる高校生は、もともと関心がある子が多い。本当にアプローチしたいのは、「政治なんてどうでもいい」と思ってる層なのに。

彼らにどうやってリーチするか。まだ答えは見つかってない。

ただ、一つ光が見えている。それが「作ろう。未来。」出前授業プロジェクトだ。

学校に僕らが出向いて、政治教育を行う。政治的中立性を保ちながら、生徒が自分で考える授業を設計している。

自分で調べ、友達に教え、議論する。この過程で、政治が少しずつ「自分ごと」になっていく。

今までに3校で実施した。反応は上々だ。

日本の政治教育を、根本から変えたい。それが僕らの野望だ。

君にも一緒に変えていってほしい

ここまで読んでくれた君に、本当に感謝してる。

ミラコエは、まだまだ発展途上だ。課題も多い。でも、確実に何かが変わり始めている。

メンバーを募集している。技術や経験は問わない。必要なのは、「変えたい」という熱意だけ。

僕自身、18歳になったばかりの時は、何もわからなかった。組織運営も、政治知識も、全部ゼロからだった。

でも、やり始めたら見えてくるものがある。行動しながら学べばいい。失敗しながら成長すればいい。

君が一歩踏み出すことで、誰かの人生が変わるかもしれない。

僕らが実現したいのは、単なる投票率の向上じゃない。一人ひとりが自分の頭で考え、声を上げ、社会に主体的に関わっていける社会だ。

そのためには、僕一人じゃ絶対に足りない。君の違う視点、君の経験、君のアイデア。そういうものが絶対に必要だ。

最近、ある中学生から連絡が来た。「選挙権はまだないけど、自分も何かできることはありませんか?」って。そういう一人ひとりの「やりたい」に答えられる組織にしたい。

実は、僕が一番怖いのは、このムーブメントが一過性のもので終わってしまうことだ。「面白い高校生たちがいたね」で終わっては意味がない。

10年後、20年後も続く仕組みを作りたい。それには、次の世代に確実にバトンを渡す必要がある。

君が今、この活動に関わることで、そのバトンの受け渡しの一部になるんだ。

ミラコエの先には、まだ見ぬ景色が広がってる。政治が身近になり、若者の声が政策に反映され、本当の意味での民主主義が機能する社会。

そんな未来を、一緒に作っていこうよ。

具体的な一歩として、まずはSNSをフォローしてくれ。イベントに参加してくれ。友達に話してくれ。小さな行動でいい。

君の「俺も変わりたい」「私も何かしたい」という気持ちが、社会を動かす第一歩になる。

僕は信じてる。若者が本気で動き出せば、この国は絶対に変わるって。

だって、未来を一番長く生きるのは、僕らだから。

さあ、一緒に、ミライを創ろう。